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特集・柔術 石川祐樹&渡辺直由インタビュー
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――とは言いつつも、お二方とも道場経営が軌道に乗っているわけですが。
石川 そうなると、現役生活との兼ね合いが出てきて。
渡辺 僕は今、こういう風な話になって、ハッとしたぐらいで、自分の現役について考える暇がないくらいですね、今も(笑)。その思いがあったはずなのに――。
石川 なるべく早く試合をしなきゃって思うのに――。僕もすぐに33歳になりますから、現役として時間はないんです。だから、早くしないという気持ちはありました。道場経営は40歳になってからもで、50歳になってからでもできるだろう。今、試合をやらないと――という気持ちがあって。ただ、以前のように道場を1〜2週間あけて、ブラジルへ行くわけにもいかなくなりましたし。今、一人、指導員を雇っているので、これから僕は出ていきます。来年はCBJJの試合は全てでて、それを最後にという気持ちもありますし。35歳まで――という気持ちと、泊(憲史)さんや(中山)徹さんを見ていると、焦る必要ないのかなとも思う気持ちもあります。
――ただ、現実問題としてブラジルの強豪選手は20代前半から中盤という若さを誇っているわけじゃないですか。
渡辺 僕の場合は、あんまり試合が好きじゃないというのもあるんですが、まだ諦めたわけじゃないです。仕事だし。怪我があって、ようやく治ってきた時期に道場を開いたので、今は出られていないんですが、落ち着いてきた最後に出まくってやろうと思っています。
石川 そう、死に花を咲かせてやろうっていう気持ちでいます。
渡辺 変な話、以前は勝ち負けに拘っていたところがあるのですが、今は100回負けても10回、良い勝ち方ができればっていう気持ちになって、捨て身でいこうと。
石川 僕は天才肌の選手じゃないし、一本勝ちも本当に少ないんですが、最近は開き直っているんです。CBJJの大会のアダルトで、銅メダルでもなんでもいいから、石にでも齧りついて取って引退したい。それが現役としての最後の目標ではあります。実際、コブリーニャとか僕らより若くて才能がある連中が、僕らより練習しているのに、今の自分の現状を見て、自分が取れるなんていうのは失礼だし、そんな柔術だったら、ここまでのめり込まないです。とてつもない高みだと知っているので、アジアチコだとかヨーロッパ選手権の方がモチベーションが上がります。小さい男かもしれないですが、ムンヂアルで勝てる気はしないです。こんな状況で、それこそムンヂアルを口にするのは失礼です。
渡辺 僕は今、練習でも日本のトップ選手とやるとボコボコにされると思います。こないだも、アマゾンにこっぴどくやられました。ただ、何かの偶然が重なって、自分が優勝したとして、強いブラジル人に「アイツが?」とか言われるくらいなら、勝てなくていいです。
石川 ブラジルのトップ選手は半端でなく強いですから。
渡辺 逆に、日本人なら向こうを知らない選手のほうが強いのかもしれないですね。ブラジルに行って、向こうを知っている人間は無理かもしれないです。知らない方がポジティブになれる。この精神的な違いはもう解消できないのかもしれないです。練習以上の強さが、向こうを知らない世代は実戦で出る。このメンタルの強さは、羨ましくも思います。
石川 ブラザのトップとか練習すると、僕はもうダメだって思っちゃいましたからね。
渡辺 僕もアンドレ・ガウバォンと練習して、こりゃぁダメだってなりました(笑)。
石川 僕が黒帯だといっても、黒帯のトップのヒカウジーニョとかと練習すると、今の僕と白帯の子以上の差があると思います。
渡辺 ほんと、そうなんですよね。
石川 でも、どっかで良いクジを引いて、相手が下痢でもなんでもいいから、銅メダルをとって最後の区切りにしたいという気持ちはあります。

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