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INSIDE MMA「決めた戦略を守る勇気」
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川村戦と近藤戦、2試合の勝利がもたらした状況は山宮の思惑と必ずしも一致するものではなかったが、“パンクラスを離れた3年間の成果を試す”というもう一つの目的は、見事成功を収めた。
「真っ向勝負って誰でもできるんですよね。ヨーイドンで打ち合うのは誰でもできる。でも、寝技に技術があるように打撃にも技術があって、立ち位置だったり距離感だったり自分の動きを相手に見せてフェイントをかけるとか、殴る・蹴る以外の部分にもすごくいろいろな技術があるというのをこの3年間で学んだので、誰でもできることじゃなく自分の試合をしたい、学んできたことをたくさん使いたいっていうのがありました」
川村戦と近藤戦で、山宮は足を使って真正面からの打ち合いを避け、アウトボクシングでのカウンター戦法を展開。特に近藤戦に関しては、戦前「集大成」という言葉で試合を位置づけたため、総力挙げての打ち合いを仕掛けるかとも思われたが、そうではなかった。両者と自分を「正面で打ち合うと分が悪い」と冷静に分析した上で、山宮はこの戦い方を選択した。玉砕覚悟の特攻ではなく、技術と体力、そして分析からくる戦略を駆使した“総力戦”。パンクラスを離れてからの時間で培ったものを総動員し、山宮は勝利を手に入れた。


「キックの試合の時に、結構何回か失敗してるんですよ」
そう明かすのは、山宮が打撃とフィジカルトレーニングを師事し、近藤戦でもセコンドについたパワーオブドリーム古川誠一会長だ。
「緊張すると(頭が)真っ白になっちゃうみたいで、こっちが言ってることを全然守らなくて。戦うのはもちろん勇気がいることだけど、決めた戦略を守るのも勇気だと思うんです」
 かつてスタミナに自信がなかったという山宮は、不安を抱えたまま試合に臨むことが過度の緊張に繋がり、それが真っ白になってしまう状態を生み出していたのかもしれない。だが、「技術っていうのはどんなに年を取っても落ちないと思うんですね。やっぱり落ちるのは体力じゃないですか。体力さえ落とさなければ、技術はどんどん上がっていく一方だし、もちろん経験も上がっていく。だから自分の中で、一番重点を置いているのはフィジカル面なんです。“心技体”って言いますけど、僕は“体技心”なんじゃないかって。なんで気持ちが折れるかっていったらスタミナが切れるからで、それがなければ心も折れないし、練習で体力と技術を磨いていけば、その中で自然と心も養われていくと思うんです」と、山宮は修行の期間で掴むに至った考えを語る。

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